2014年9月16日火曜日

満寿屋 MONOKAKI N3

浅草 満寿屋(ますや) (滿壽屋) は川端康成や三島由紀夫、高村光太郎、司馬遼太郎などなど、名だたる文豪たちが愛用した老舗の原稿用紙メーカーです。今日はそのノート MONOKAKI N3 (B6 9mm グレー横罫) を試してみました。

見た目や手触りは原稿用紙… というよりすき紙を使った表紙や作りが式典で使う芳名録のような印象。9mm 17行という太めの行も筆を想定しているのかな? という感じです。中の紙はクリーム色と聞いていましたが、自然でそれほど気にならず主張するような色合いではありませんでした。

早速手持ちの筆記具で試してみます。

おお、これは良いぞ! 良い筆記感!

万年筆は M や B あたりの若干太めが書きごたえがあって "モノ書いてる" 満足度が高いんだけど、一般の 7mm 罫で画数の多い漢字を書くには太すぎるんだよねー。この太めの 9mm 罫は PARKER Sonet M (iroshizuku 竹炭) には丁度良く、筆の滑りも重すぎず軽すぎず至極心地が良い。もちろん引っかかり感はない。9mm が太すぎるのであれば無罫を選んでもいいかも。

WATERMAN Metropolitan Essential F (iroshizuku 竹炭)、CROSS Medalist F (純正カートリッジ)、LAMY JOY (純正カートリッジ) も滑りが良くにじみもない。Mitsubishi Jetstream 極細 (ボールペン)、STAEDTLER Mars Lumograph (鉛筆) も良いは良いが他の上質紙と同程度で矢張り万年筆向けに調整してある印象。まぁボールペンや鉛筆は書き心地を犠牲にどんな紙でも一定の品質で書ける安定性重視のものですので極端に良い紙を使うものでは無いんですが。

で、問題は裏抜けですが…

透け、裏抜けまったくなし! 合格!!

万年筆での使用感についてはミドリや Life SCHÖPFER より上で今までの中では一番かな。もちろん好みの範囲はあるだろうけど。

¥950 という価格や、表紙の和紙っぽいフォーマルさ、明治・大正的なレトロ感、入手しにくさが利用者を選んでいる感じはあります。どうだろ、購買対象者としてはそこそこお歳を召した手書きで原稿用紙に書く世代の人や、プロの物書き業の人、万年筆愛好家あたりのニッチ市場を狙った商品コンセプトかな。ユーザ体験が書く事に向いていて、広い世代でカジュアルに使われたり身近に置いておきたくなるような万人向けではない感じ。何とかスキンみたいにそこらへんの UX やプロモを上手くやれば世界で通用する品質ではないかなと思うんだけど。

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